【体験report#02】One day cafe.kyoto ~今までなかった?発達障害者と支援者の交流(後編)
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ライターであり当事者のしょーこさんからOne day café.kyotoの体験談をいただきました。
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【体験report#02】 2017年5月18日
One day cafe.kyoto ~今までなかった?発達障害者と支援者の交流(後編)~
テーマトークは私には衝撃的だった。
テーマトークは四つに別れ、私が選んだテーマは「甘えと障害の境目は?」と「発達障害の人は夢を叶えることができないのか?」だ。
甘えと障害の境目について私は「診断を受けたのに普通の人に合わせていく努力をしないのは甘えではないか」と言った。私は当事者だし、実際普通の人たちにいかにストレスをかけず上手く馴染むかは当事者会でも話すことがある(上手くいかないことも多いが)。
驚いたのは次の瞬間だった。一人の女性が「どうして普通の人たちに合わせなきゃならないんですか? それは甘えなんですか?」と不思議そうに言ったのだ。その方が当事者だったのか、普通の人だったのか私は知らない。けれど普通の人のような気がした。 当事者として衝撃を受けた。
私は診断されて、ソーシャルスキルトレーニングを受けたり、本を読んだりした。その中で誤解されたり、普通の人とは感覚がずれていることで上手くいかない先例から、普通の人に合わせたり擬態することは当然だと思っていた。そうしないと生きていけないと思っていた。
もちろん現実には障害者雇用でさえ、障害者は必死に普通の人に合わせなければならないのが現状だ。しかし、私はその女性が「合わせるのが当然ではない」と素朴に言ったことを嬉しく感じた。そしてそんな人もいるのだと幾らかほっとした心境になった。 これがこの日私が感じた「発達障害者と普通の人が交わる事で生まれた意外な事」だ。
テーマトークを終えると時計の針はもう終わりの時間に近づいていた。
三時間はあっという間だった。
グラッフィックレコーディングはあっという間に4枚のポスターを生み出した。今日のまとめがそこにあり、参加者達はそれが何度か嬉しそうだった。
こうして私の初めてのOne day cafe.kyoto は終わりを迎えた。支援者、当事者、そしてそのどちらでもない人の交流に微かな希望を感じて……。
前編はこちら
ライター■しょーこ
神戸に住む発達女子、2017年は自助会(発達障害の当事者の交流会)にたくさん行くことで人生を考えようと思ってます。本を読むのも書くのも好き。好きな作家は村上春樹と西尾維新、ほか大勢。発達障害に関しては茶道とハンドスピナーを推してる。